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“soul of どんと 2005”
2005年1月30日　SHIBUYA-AX

　ローザ・ルクセンブルグとボガンボスという、かつてのどんとのバンドメンバーたちが合体したバンドが演奏し、次々に登場するどんとゆかりのシンガーたちがどんとの歌を歌っていくという、基本的に去年の“soul of どんと 2004”と同じ趣向で進行。しかし、Dr. kyOn(Inst.etc)、永井利充(B)、玉城宏志(G)、岡地曙裕(Dr)、三原重夫(Dr)というどんとのかつてのバンド・メンバーたちによるこの「ボガンボ・ローザ」が強力で、スタッフも含め、出演者全員がどんとへの愛に溢れているからとにかく楽しいです。

　トップバッターとしてボーカルをとった永井利充が「どんちゃんの大好きなお祭り騒ぎを今日はエブリバディーと一緒に作ってみようと思っています。最後まで隅々と味わって帰ってもらいましょう。スペシャルストロベリーなゲストたちがもうウズウズしながらそこで出番を待ってますよ、イエー！」と盛り上げる。

　総勢17名という、これだけの出演者数ながら会場の最前部から最後尾まで、スタートからフィナーレまでの3時間以上、ずっと盛り上がり続けているイベントって他にはありえない。そこにあったのはどんとを偲ぶという雰囲気ではなく、どんとをどんとの音楽とともにみんなで祝福したいという気持ち。

　藤井一彦は、「夜のドライブ」と「魚ごっこ」を日本最強のグルーヴに乗せて歌い、弾きまくった。「騒いでくださいよー、あなたの生活にフィードバックさせてくださいよ」と叫んだ延原達治は、どんとの同志だ。ハナレグミは、マラカスを振り腰を振り、「助けてフラワーマン」「見返り不美人」で会場を熱狂させる。「お祭りの中からちょっと抜けてどんとと一緒に京都へ帰ろう」と、弾き語りでローザ時代の曲を歌った岸田繁（くるり）+堀江博久（「かまどうま」）。続いて玉城宏志がボーカルに立ち、ローザのシュールな世界をこれ以上にない強靱なバンドで再現する。Dr.kyOnはどんととローザ以前に組んでたという「スーパードッグス」のナンバーで20年以上前にタイムスリップ。Leyonaが鮮やかな色彩をこの祭りに持ち込み、中川敬はソウルフラワーのライブでもカバーしている「ポケットの中」と「あこがれの地へ」を誰よりも大きな声で歌う。「今日もどんとさんと歌います」と話して歌ったYUKIの歌は感情を揺さぶり、ハナレグミ、Leyona、小嶋さちほを呼び込んで一緒に歌った「カリプソちゃん」で再び祝祭の渦へ。そして、全員が登場しての「どんとマンボ」！

　キャンドルが灯されたアンコールのステージで、小嶋さちほのハープ（ライア）と歌、SANDIIのチャントとフラで、どんとの沖縄時代の名曲「波」が祈りを込めて歌われた。

　すべての瞬間がハイライトであったこの祝祭の中でも、忌野清志郎（どんとの憧れの人）が初めてどんとの歌「おめでとう」を歌ったアンコールは感動のクライマックスと言えるのでは。いろんなシンガーによってどんとの歌が歌い継がれる。新しい生命が吹き込まれたその歌は、新たな花をどこかで咲かせることでしょう。

（text：杉山敦／TUK TUK CAFE）

セットリスト
1.絶体絶命
　永井利充

2.夜のドライブ
3.魚ごっこ
　藤井一彦(THE GROOVERS)

4.BODYCO
5.Candy Candy Blues
　延原達治(THE PRIVATES)

6.助けて!フラワーマン
7.見返り不美人
　ハナレグミ

8. 橋の下
9.シビーシビー
　岸田繁（くるり）+堀江博久
　

10.ニカラグアの星
　玉城宏志

11.Zun Zun Everyday
　Dr.KyOn

12.泥んこ道を二人
13.夢の中
　Leyona

14.ポケットの中
15.あこがれの地へ
　中川敬（ソウル・フラワー・ユニオン）

16.Sweet Lovin'
17.イマジン
　忌野清志郎

18.トンネルぬけて
19.心の中のともだち
　YUKI